ひきだし研究所 Hikidashi Laboratory

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単コラ「OJI SAN design  後悔」おじさんを楽しくデザインするために、あの日のセンチメンタルをふり返ってみる。

単コラ「OJI SAN design 後悔」おじさんを楽しくデザインするために、あの日のセンチメンタルをふり返ってみる。

2023.06.02

文:ポテトスケッチ

こんにちは。TAN-SUの山口です。コピーデザイナーとしても活動しているのですが、クリエーター名をポテトスケッチという名前にしています。だから、今日はポテトスケッチ名で単発コラムを書いています。

タイトルにもあるOJISAN designというコピーは僕のライフテーマでもあるんですが、50目前の自分とどのように折り合いをつけて生きていくか、出口の見えないことを毎日考えています。それを何かポジティブな言葉に表さないと気持ちがネガティブになる性格なので、「OJISAN design=おじさんをデザインしていく」というコピーを作りました。フォントデザインも手描きです。僕自身が些細なことを気にして考えてしまうタチなもので、目標とか行動指針をコピー化することで気持ちが明るくなります。ま、これがポテトスケッチのスタイルとなっています。

今日のテーマは「後悔」。
そう、人には後悔がつきものです。僕にも後悔がたくさんあります。毎日小さな後悔を繰り返しています。後悔の果実がなっている方へ引き寄せられているかのような感覚です。一体、後悔とはどこから来るのだろうか?そんなことまで考えてしまう始末。

後悔の正体は「今の自分」

僕の「後悔」とは、あの時あーしておけば良かった、というような類のものではなく、若い時に期待していた未来の自分と、今の自分のギャップにあるような気がします。家族もいて、家もあって、子供の元気で、生活も普通にできている、一般的な幸せな環境にあるのに、いつも何か心の中がざわついていて、迷っていて、1ピース足りないような、定まらない感じです。不安感とでもいうのでしょうか。

僕は株式会社TAN-SUという会社の代表もしており小さなデザイン会社を経営しています。デザインと言っても映像や音楽、テレビ番組の企画、出版物の編集や広告デザインなど含めたトータルメディアデザインを軸に事業運営しています。もちろん経営の苦労は日々あるもの、幸いなことに家族も近くにいて、スタッフやクリエーター、関係者の方々に支えられて8年目を迎えています(2023年現在)。でも、経営者としての後悔とかお金の不安とか、どうもそれとも違う感じです。一体なんなのでしょうか?

2018年のある日、その答えに巡り合う日がやってきます。
僕はTBSラジオで半年間、ひょんなことから自分がMCを務めるレギュラー番組を持たせてもらいました。「ハツデンキ」というタイトルで、地域を元気にしている人をゲストにお招きしてアイデアの発電の素を伺うトーク番組です。アシスタントはTBSアナウンサーの山本里菜さん。今では看板アナウンサーですね。スタッフも人気番組を手掛けるディレクターさんで、そんな贅沢な環境でスタートしました。

意気揚々とスタートした番組ですが、正直半年間はフワフワとして心ここに在らず。ゲストの方の話を聞くたびに、自分自身の生き方が恥ずかしくなる感覚を覚えたものです。

おトイレ川柳のごとく「ありそうで無かったもの」「自信」

僕には心の土台となる自信がなかったのです。

ラジオをきかっけに、自分を大事にする修行を始めたのです。

皆、自分を大事に生きている

ちなみにラジオのゲストに来てくれた方は錚々たる方々で、

県知事、ドラマ制作会社社長、雑誌の編集長、食品関連メーカーの開発者、県庁職員、若い不動産経営者、文具メーカーの開発者、農家さん、自治体の方、食品メーカーの方など様ざま。皆さん過去にお仕事したりして繋がりのある方々で、快く出演をお引き受けいただきました。

1人だけ名前を出すと、初回と2回目のゲストだった高校の同級生のビビる大木くん。高知県土佐清水市のジョン万次郎記念館の名誉館長を務めるほどの歴史好き。歴史探訪で地域に貢献している友人であり芸人さんです。そんな彼から収録終わりに「もっと自信持って、好きなこと自由に話しな」とLINEが来る始末。とにかく事前のゲストさんの下調べやトークテーマなど毎日シミュレーションしたことは、つらくも良い思い出です。

さて、TAN-SUという会社は設立してから「地域活性」をうたってきました。地域の役にたつものを作ろう、地域応援するぞ!そんな会社のスローガンを立てて運営してきました。ラジオを始めてからいろんな方々が取り組んでいるリアルな地域事業や地域の取り組みを伺い、地域活性を掲げる前に自分が取り組むべき課題はもっと他にあることを強く感じました。結果論として地域貢献ができればいいですが、僕たちのような流通も持たない、資金もない、メディアも持っていない、生産力もない、専門的資格もなく、ある意味外部とのネットワークのおかげで成り立っているだけの下請け会社に未来はあるだろうか?ということを強く感じたわけです。

割愛しますが、その時から、自分や会社の等身大の強みを作ることを決意しました。
自分たちが本当に得意なこと、それによってできるであろう仕事や社会貢献、そして一番重要なのはできないことを考えること。こういった基礎トレーニングに立ち返ったわけです。迷ったら初心に戻るとはまさにこのことです。

できないこと、できることが混在することで、本当にできることを見失う。実走行しながら経験を積む大切さに気づいたのでした。


愉快で楽しい、普段づかいできる日用コンテンツ作りへ。

僕が後悔をしているとするならば、「できないこと」を「できない」と言えずに、人に迷惑をかけ続けてきたことです。このことが自信の無さという根本的な蓄積に結びつくわけです。勉強もした、経験もしてきた、努力ももちろんしてきたけれど、現在地は思ってたんと違う!的なことがあると思います。

僕は2018年の半年間は公共放送の場で生き恥をかいたけれども、生きた勉強をしたと思っています。自分の身の程を知り、謙虚に自分と向き合い、誰しもが平等に持っている「自分サイズの才能磨き」に気づかせてくれたので。

隣の芝を見れば青々として眩しく見えますが、みんな心に不安や後悔を抱えながら年齢を重ねているんだと思います。SNS中毒に犯される中年も多いと聞きます。他人を極端に意識したり、頭で考えるだけでなく、トライしながら経験を積むことで「後悔」は「データ」になり、次のトライにつながります。

友人に言われました。
「実走行しながら経験を積むんだよ」それが本当のチャレンジだと。
アイデアは持っているだけでは、宝の持ち腐れです。一歩踏み出して実際にやってみたときに始めて体感として感じるものが出て来るわけです。石橋を叩きすぎて割れないようにしたいものです。

僕はあの日から、「普段使いできる日用メディア作りと日用コンテンツ作り」に取り組んでいます。
日々、おちゃのまが楽しくなるようなユニークでポップな音楽やキャラクターコンテンツを考え、それを発信するメディアを運営し、僕たちのことを知ってもらい少しでもファンになってもらう努力をすること、そしてリアルなコミュニケーションになる機会(場所)を作ること、が日々のテーマです。そのために身近な人たちの暮らしや社会の移り変わりを敏感に感じ、研究して行く必要があります。

これからのOJISAN人生を、どうdesignしていくか?
まだ答えは見つかっていませんが、おじさんとしての人生を歩きながら、将来子供に対して僕の人生のことを少しお話しできると嬉しいかな。

トマト
プロデュースバイ TAN-SU

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