TAN-SU街道をゆく!?

北三陸の港町「はちのへ」をゆく、週末ぶらり旅③朝市から始まる、休日。

ニッポン各地の「おもしろい」「新しい」「おいしい」に出会う旅「TAN-SU街道をゆく!?」。シリーズ第3弾となる今回は、青森県の八戸市を訪れました。約600種類とバラエティーに富み、国内屈指の水揚げ量を誇る北三陸の港町です。旅人は、フードディレクターの寺本りえ子さん。ちょっと遠出してみちのくの食文化を体感する、1泊2日の“週末旅”をお届けします。

Z070964

八戸の朝は、早い。とっても、早い。

前夜、横丁のにぎわいを堪能しつつ深酒しないよう、泣く泣く日付が変わる前に宿へ入った取材班一行。そのかいあって午前6時00分にチェックアウト、八戸観光には欠かせない「日本最大級のスポット」へ繰り出しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

やってきたのは、3月中旬から12月末まで毎週日曜日に開催される『八戸館鼻岸壁(たてはながんぺき)朝市』。す、すごい人、人、人。なんと、まだ暗い時間からテントが建ち始め、夜明けとともに大勢の来客で岸壁が埋め尽くされます。僕ら取材班にとっては早出、だったつもりが、地元の方からすると「遅いくらいですよ。ギリギリですねー」。午前中の早い時間帯に売り切れごめんで閉店するところが多いそうです。この短時間で、多い日はなんと2万人以上が訪れるそうです。

「早朝からこんなにたくさんの人が集まっているなんて!活気があって、食欲もかきたてられますね!」

寺本さんも、その活気に圧倒された様子。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

この館鼻岸壁朝市のストリートは全長約800mにも及び、その両側には約300店舗が軒を連ねます。焼き魚やコロッケ、唐揚げ、鍋料理に麺類、丼もの、野菜やくだもの、パンやカフェなどなど。朝市全体においしそうな香りが立ち込めています。昨日の“八戸おいしいもの取材”で翌朝も満腹感を覚えていても、ついつい手が伸びてしまいます。ゆっくり食べ歩きしながら、地元の食文化を体感できます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
名物さばのコロッケ「八戸サバコロ」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
イサバのカッチャ(=市場のお母さん)が、お孫さん(?)を背負ってました!

中でも、寺本さんがとくに惹かれたのは「菊巻き」。普段、発酵食品の研究をされていて、都内でもイベントや講座を行っているだけあって「菊の花の香りもさわやかで、食材の良さが引きでてます。とってもおいしい!」と大満足。「菊」の花は、八戸の冬の旬野菜。お味噌汁などに入れていただきます。浅漬けにした大根やにんじん、高菜を菊の花で巻いたものが、菊巻きです。館花岸壁朝市の名物です。まるで座布団のような菊の花も「これは買って帰らないと」と早速購入していました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

食べ物だけではなく、骨董品やインテリア雑貨、人気の漁網を使ったあかすりなど、まるで八戸の文化をギュギュッと凝縮したかのようなバラエティーに富んだ品揃えです。地元の方はもちろん、県外からも多くの方が来られる館鼻岸壁朝市。早起きしたかいがありました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

この朝市にほど近いところに、八戸を代表する観光スポットがあります。ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている「蕪島(かぶしま)」です。陸続きとなっている約1.8haの島に、毎年約4万羽のウミネコが飛来。2月中旬から8月ぐらいまで過ごします。ウミネコの繁殖地といえば、人間が近づけない離島や断崖絶壁が多いのですが、この蕪島は間近で繁殖の様子を観察できる大変めずらしい場所です。標高約17mの頂上部には商売繁盛の神様、海の守り神として親しまれている蕪嶋神社があり、多くの参拝者が訪れますが、境内はまさに足の踏場がないほど、ウミネコがいっぱい。人に慣れているのか、近づいても逃げるどころか、よけもしない。ここでは、まさに人の方が「おじゃましまーす」という感じなのです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

こ、この至近距離!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
蕪嶋神社は昨年11月に焼失しましたが、地域の人々によって再建へ動き出しています

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そして、八戸の絶景スポットといえる「種差(たねさし)海岸」。三陸復興国定公園の中にあり、国の名勝にも指定されています。なんと、天然芝が波打ち際まで敷き詰められています。季節によってさまざまな海浜植物や高山植物が花を咲かせます。暖かい季節には、この天然芝で「朝ヨガ」が開催され、若い女性からご年配の方まで多くの方が参加されています。寺本さんは「まるで、北欧の景色を見ているみたい!」と感激。3月下旬のまだ海風が冷たい時期でしたが、海岸を散策しながらかわいい福寿草を見つけました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

さあ、観光地をめぐるうちに、お腹もすいてきました。ということで、八戸の食材であふれる「八食センター」へ。海鮮炭火焼を楽しめる「七厘村(しちりんむら)」でお昼ごはんです。八食センター内で購入した新鮮な魚介類を持ち込んで七輪で焼いたり、お刺身をいただいたり。お昼時には満席になるほど、地元の方にも観光客にも大人気です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

食後の一服は、八戸市の中心部のカフェ&ギャラリー「saule branche shincho(ソウルブランチ シンチョウ)」 で。八戸産コーヒーをいただきながら、ちょっとひと息。展示スケジュール期間内のみ営業しているカフェですが、おいしい軽食とモダンで落ち着いた空間で多くのファンに親しまれています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

旅の締めくくりは、八戸市のコミュニティーラジオ局「BeFM(ビーエフエム)」。同局の番組「ゆうらじ!Hachinohe」に出演させていただきました。八戸ブヤベースを堪能し、酒蔵見学や利き酒、昭和レトロな横丁、そして朝市や観光名所をめぐって感じた八戸の魅力をお話させていただきました。

全国各地で活躍されている寺本さんですが、八戸を訪れたのは今回が初めて。「八戸にはいろんな魅力的な食材や取り組み、観光スポットがあることを知って、本当に大好きになりました。魚介類も身の締まりも他の地域とは違うし、脂の乗りも素晴らしい。いろんな季節の旬のお魚を味わいたいですし、またゆっくりと八戸を訪れたいですね」。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ドンコで出汁を効かせた八戸ブイヤベース、サバのぬか漬け「へしこ」の香ばしい味わいも印象に強く残ったようです。「今まで食べてきたブイヤベースとはまたおいしさが格別でした。へしこは他の地域にもありますが、八戸のへしこは火入れをせずにサバの旨味を閉じこめて、最後に炙って香ばしさを出していました。私にとって初めての作り方でしたし、味も最高でした!」。

帰京後、ご自身の主催するイベントなどで、今回の旅で経験したことを来場者やファンの方にお伝えしているそうです。

ちょっと遠出して、自分ごほうびの週末ぶらり旅。北三陸の港町「はちのへ」をめぐる、1泊2日の旅はいかがでしたか?思い切って1歩足を踏み入れれば、その地域の味わい深い体験、出会いが待っています。さあ、これからさらにいい季節。TAN-SUも各地へ、行ってきます。(おわり)

text & photo = Kenjiro Yamashita

【旅人のご紹介】

reason-img001

寺本 りえ子(Rieko Teramoto)
宮崎県五ヶ瀬町出身、東京都在住。株式会社 アモローソ 代表取締役。フードコーディネーター/食育インストラクター、フレッシュスムージーアドバイザー、発酵食スペシャリスト、ナチュラルシードマイスター、漢方養生指導士、きのこマイスターなど。音楽アーティスト、テレビCMのナレーターとして活躍中の2003年より、撮影現場やブランドパーティーなどのケータリング、テレビCMやパンフレットでのフードコーディネートや、飲食店などのディレクション、アドバイザーを務める。2013年よりスムージー用青果宅配専門店「VEGEO VEGECO」(ベジオベジコ)のディレクターに就任。五ヶ瀬町の風土アドバイザー、マクロビスイーツのSweet MOCOMOCOのディレクターも務めている。2016年4月よりスーホルム(アクタス)にて「季節の手仕事」のワークショップをプロデュース開始。新宿伊勢丹、ユナイテッドアローズ、クリナップなどでの講座を好評開催。地域活性や食育の活動にも精力的で、自社ブランドのお茶も販売。2015年4月に著書『JOY of AGING』(宝島社)を出版。

【ウェブサイトのご紹介】
八戸館鼻岸壁朝市(http://minatonichiyouasaichikai.com
種差海岸(http://tanesashi.info
八食センター(http://www.849net.com
saule branche shincho(http://saulebranche.info
BeFM(http://www.befm.co.jp

TAN-SU街道をゆく!? 最新記事

記事一覧はこちら ▻