TAN-SU街道をゆく!?

北三陸の港町「はちのへ」をゆく、週末ぶらり旅②昭和レトロな横丁

ニッポン各地の「おもしろい」「新しい」「おいしい」に出会う旅「TAN-SU街道をゆく!?」。シリーズ第3弾となる今回は、青森県の八戸市を訪れました。約600種類とバラエティーに富み、国内屈指の水揚げ量を誇る北三陸の港町です。旅人は、フードディレクターの寺本りえ子さん。ちょっと遠出してみちのくの食文化を体感する、1泊2日の“週末旅”をお届けします。

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青森県南東部に位置し、太平洋沿岸の豊かな海の幸に恵まれている八戸市。約24万人が住む港町は今、古来より受け継がれてきた魚食文化を地域おこしの観光素材として、県内外へアピールしています。

その取り組みの中で近年、価値が見直され、グルメスポットとして注目されているのが「横丁」。市内の中心街にあって、今となってはなかなかお目にかかれない昭和のレトロな飲食街が、ところ狭しと連なっています。地元の方はもちろん、首都圏など県外からも多くの観光客が訪れ、一緒になってにぎわっています。東北エリアに出張するビジネスマンの中には「仕事は他県でも、宿泊は八戸で」という熱烈なファンも増えているとか。

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まずは、「みろく横丁」に足を踏み入れた寺本さん。「すごく温かみがあるし、どこか懐かしさも感じますね。どのお店もおいしそう!どこに入るか迷ってしまいますね」。みろく横丁では、ひとつひとつの店舗は広くなく、客同士の肩が触れ合い、カウンターを挟んでお店の方からお酒やおつまみを手渡しで受け取れるほど。一見さんでも席がお隣どおし、地元の方や常連さんと一緒に食卓を囲んでいるような雰囲気で賑やかに、楽しくおいしくくつろげます。

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八戸の特徴といえば、こうした横丁が8つもあり、しかもそれらが市内中心部の一角にギュッと隣接しているところ。寺本さんと取材班一行は、江戸時代に牢屋があったことから呼ばれるようになった横丁「ロー丁(ちょう)れんさ街」の居酒屋『おかげさん』にお伺いしました。

こちらのお店は家庭的な雰囲気と、地元の新鮮な食材を使った創作おつまみで人気。乾杯!

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そしてお待ちかね、女将が腕を振るった料理を堪能しました。

八戸産の新鮮な魚介類の刺身盛り合わせ

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塩辛や海苔など地場産品を添えた名物「南部せんべいピザ」

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全国一の水揚高を誇る八戸産イカのバター炒め&締めのリゾット

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豆腐のヘルシーグラタン

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八戸に到着するなり、八戸ブイヤベースのフルコースを堪能し、その足で八戸酒造で利き酒をたっぷり(笑)いただいていた寺本さん。「横丁でもいろんなものをいただきたいけれど、お腹に入るかしら」という心配もどこへやら、「おいしすぎる!決して飾らない普段着の料理でも、しっかり食材を生かしているのがよく分かります。南部せんべいをこんな風に食べたのは初めて!」とお箸もお酒もピッチが上がりました。南部せんべいといえば、八戸の名物。汁物の具材として使われる「八戸せんべい汁」が有名ですが、ピザの生地として食べるとまたおいしく、楽しいですね!

店内は常連さんでいつもいっぱい。こたつでくつろげる上がり座敷もあります。

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八戸の横丁には、こうした家庭料理の居酒屋から屋台村、居酒屋、バー、寿司店、ラーメン店、アジア料理の店まで、バラエティーに富んだ約150店舗が軒を連ねています。工夫を凝らした料理や飲み物のラインアップはもちろん、店主や来店客との触れ合いもまた、各店オリジナルであり名物です。そのため、最初の1軒で腰をすえるのがもったいなくて、ついつい“はしご”したくなるのですが…。それも大丈夫。八戸の横丁では、ちょいと一杯ひっかけてほかのお店へ、というのが半ば“公認”されているのです。「またいらっしゃいね!次のお店でも楽しんで!」と気持ちよく送り出してもらえます。

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さて、「ごちそうさまでしたー」と居酒屋を後にした一行。ここは八戸流で当然はしごでしょう、と盛り上がっていると、寺本さんからどうしても気になるお店がある、とリクエストが。「私、サバが大好きなんです」。

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それなら八戸名物のサバを味わっていただきましょう!ということで、やはりこの店!とご案内いただいたのがその名もズバリ、『サバの駅』。横丁エリア内にある、サバ料理専門のお店です。板前さんがカウンターで新鮮な魚をさばく横には、大型スクリーンが。なんと、サバ料理を楽しみながら、映像で漁の様子を観ることができるのです。サバの駅の沢上弘社長にもご同席いただき、八戸産サバの魅力をお伺いしながら、名物料理をいただきました。

八戸銀サバトロづけ丼
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シメサバ

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さば串焼き

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八戸で初めて、地物のサバをいただいた寺本さん。沢上社長から名物の「へしこ」の作り方も教わり、感激のご様子。

「脂が乗って、とてもおいしいです!サバはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった栄養素が多く含まれていて、お肉よりタンパク質の消化の負担も少ないんです。おいしいうえに、体にもいい。いろんな食べ方も楽しめる八戸は、サバ好きにはたまらない地域ですね!」。

へしこ
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八戸前沖で漁獲されるサバといえば、近年、首都圏などの飲食店関係者などからも高く評価されている「八戸前沖さば」。日本最北端のサバの漁場で、秋口から海水温が下がることから他地域のサバに比べて脂分が多い(20%以上)のが特徴です。八戸前沖さばの中でも、500g以上の大型のものを「銀さば」といい、重宝されています。これまであまり市場に出回ることがなかったのですが、沢上社長や八戸前沖さばブランド推進協議会、行政のみなさんのご尽力で“地域ブランド魚”として認知され、流通し始めています。沢上社長は「いろんな方々にご協力いただいて、ようやく八戸のサバのおいしさを知ってもらえるようになってきました。でも、まだまだこれからです。品質にもこだわり、研究を重ねて、もっと多くの方に食べていただけるように取り組んでいきたいです」と話してくださいました。

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さてさて、おいしいお酒とつまみでお腹もいっぱい。もっともっと“はしご”したいけれど、明日の朝に備えて、ここらでお開きに。日もどっぷりと暮れて、さらに賑わいを見せる八戸の横丁に後ろ髪を引かれる思いで、取材班一行は今夜の宿へと向かいました。(つづく)

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text & photo = Kenjiro Yamashita

【旅人のご紹介】

 

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寺本 りえ子(Rieko Teramoto)
宮崎県五ヶ瀬町出身、東京都在住。株式会社 アモローソ 代表取締役。フードコーディネーター/食育インストラクター、フレッシュスムージーアドバイザー、発酵食スペシャリスト、ナチュラルシードマイスター、漢方養生指導士、きのこマイスターなど。音楽アーティスト、テレビCMのナレーターとして活躍中の2003年より、撮影現場やブランドパーティーなどのケータリング、テレビCMやパンフレットでのフードコーディネートや、飲食店などのディレクション、アドバイザーを務める。2013年よりスムージー用青果宅配専門店「VEGEO VEGECO」(ベジオベジコ)のディレクターに就任。五ヶ瀬町の風土アドバイザー、マクロビスイーツのSweet MOCOMOCOのディレクターも務めている。2016年4月よりスーホルム(アクタス)にて「季節の手仕事」のワークショップをプロデュース開始。新宿伊勢丹、ユナイテッドアローズ、クリナップなどでの講座を好評開催。地域活性や食育の活動にも精力的で、自社ブランドのお茶も販売。2015年4月に著書『JOY of AGING』(宝島社)を出版。

【ウェブサイトのご紹介】
八戸横丁連合協議会(http://www.nonbe.jp/yokocho/
サバの駅(http://hachinohe-sabanoeki.com

 

 

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